Management
創発(セレンディピティ)とは「瓢箪から駒」
何もやらない人は(偶然に物事を発見する能力である)セレンディピティに接する機会はない。一生懸命やって、真剣に新しいものを見つけようとやっている人には顔を出すノーベル化学賞を受賞した鈴木章北海道大学名誉教授は「創発」(セレンディピティ)をこのように表現する。「思惑倒れ」「怪我の功名」「瓢箪から駒」といったように、事前の意図とは異なる形で、組織能力の蓄積が進んでゆくことを「創発」という。 ころんでもただでは起きない、しぶとい組織学習能力が重要と「能力構築競争」著者の藤本隆宏東京大学大学院教授はいう。我らのいる現場は創発の現場。 地域住民とともに知恵と工夫を出し合う社会実験の現場で「瓢箪から駒」。我らはこの極意で新たな領域に入ることができるはずだ。
自立へ向けた仕組みづくりが肝要だ
地域を支える連携組織はまちづくりの競争力の原資だ。世界競争を繰り広げ先鋭化する東京。その東京の重い荷物が地方の姿ではないだろう。我らは都市と地方を対立軸としてとらえてはいけない。表裏一体の東京と地方の連動のあり方をそろそろ考えてよいのではないか。 そのポイントはもはや近代的都市計画手法では解決しない。自立した主体、躍動感のある活動こそ求められている地域の連携組織の姿だ。1か月に1回、ボランティアでワインを仕込む。その収益でまちづくりをしよう。もはや補助金は不要な主体たち。自立へ向けた仕組みづくりが肝要だ。