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vol.156 衰退するというメカニズムは博士論文になるか(2026年6月16日号)

斉藤キョージュです。「衰退しているというメカニズムで博士論文はできるか」という問いは、学術的に十分に成立し得るものです。ただし、そのためには単なる現象の記述ではなく、理論的な枠組みと方法論に基づいた「構造化」が必要です。博士論文は、既存の研究に対して新たな知見や視点を提供する学術的な成果です。「衰退」という現象を研究対象とする場合、それを単に観察するのではなく、どのようなメカニズムで衰退が生じるのか、どのような要素が関与しているのかを体系的に分析することが求められます。例えば、経営学や社会学の分野では、組織や産業、コミュニティの衰退を構造的に捉えた研究が存在します。ある研究者は、自身の研究が「メインストリームの研究を批判していく傾向がある」と述べており、既存の枠組みに囚われない視点で現象を捉えることの重要性を示しています。このように、衰退現象を批判的・構造的に分析することは、学術的な価値を持ち得ます。「衰退」を構造化するためには、以下のようなアプローチが考えられます。①要因の分解: 衰退を引き起こす複数の要因(経済的、社会的、技術的、制度的など)を特定し、それらの相互作用を分析する。②プロセスのモデル化: 衰退が進行する段階やパターンを抽出し、時間的な変化を記述する。③比較分析: 複数の事例を比較することで、衰退に共通する構造や、逆に衰退を回避した要因を明らかにする。これからの時代、このあたりを研究テーマにすると大きな示唆を与えられるのでは思います。

vol.157 アーカイブ調査とは何か(2026年6月17日号)

斉藤キョージュです。アーカイブ調査(アーカイブリサーチ)は、図書館や博物館、政府機関、企業、家庭などが保管するアーカイブ(一次資料)から証拠を探し出し、抽出する調査手法です。これは、文献調査(二次資料の利用)や実験、フィールドワークといった他の一次調査とは区別されます。具体的には、アーカイブ内の資料を特定、評価、体系的に解釈・分析するプロセスを含みます。この調査方法は、社会運動や移民の歴史、法律や政策の成立過程、特定の地域や共同体の生活など、集団的・制度的な規模の出来事に関する知識を構築するために用いられます。過去の人工物(アーカイブ資料)を可視化することで、現在の状況がどのようにして形成されたのかを理解するのに役立ちます。まだ実際に動いている法律ではありますが2003年に施行された地域再生事業や地方創生事業はそろそろ回顧が必要な時期にあります。2003年に出た地域再生事業の目的はなかなか銘文でありますがすでに書き換えられており原文をネット上で見つけ出すのは困難です。国会図書館に行くと当時の法律が本としてまとめられておりそれをコピーして研究資料とすることができます。また当時の制度化に関わった官僚もまだまだ生きていますので、ヒアリングなども積み重ねていずれ地域再生、地方創生事業のことをまとめたいと私は考えています。

vol.158 海外の学会でポスター発表を行うことで留学のチャンスをゲットする(2026年6月18日号)

斉藤キョージュです。学会のポスターセッションは、研究者が自身の研究を対話形式で発表し、参加者と直接交流するための重要な機会です。その主な目的は、研究内容の共有、フィードバックの獲得、そしてネットワーキングにあります。海外の学会でポスター発表を行うことは、教員とのネットワークを構築し、留学のチャンスを得るための有効な手段です。ポスターセッションは、研究者同士が一対一で対話できる場であり、特に海外の教員と直接交流する絶好の機会となります。海外の学会で効果的にネットワーキングを行うためには、事前の準備が重要です。会いたい教員がいる場合は、学会前にメールで連絡を取り、ポスターセッションの時間に会う約束をしておくことがよいです。また、ポスター発表では、研究の動機や発見、驚きなどをわかりやすく説明するとよいですよ。教員の質問に積極的に答えることにより、より深い議論が可能になります。留学のチャンスをゲットしてください。

vol.159 博士課程入学前に作る研究計画に必要な項目(2026年6月19日号)

斉藤キョージュです。博士課程入学前に研究計画書を書くことは実に大切です。AI伴走博士課程ではこの段階でのお手伝いができたらよいなと考えています。博士課程に入学できたら指導教員に教えてもらえばよいわけで私が出る幕ないじゃないですか。博士課程入学前に作成する研究計画書には、研究の方向性や実現可能性を明確にするための複数の必須項目があります。これらの項目を網羅することで、審査員や指導教員に「支援したい」と思わせることが重要です。ある受講生の指導教員をたまたま知っていたのでその教員が「指導したい」と思わせるような研究計画書を作ったことがあります。指導教員が「指導したい」と思わせる研究計画書とは、指導教員が未知な領域を言い当てることが最善策と思います。1. 研究テーマ(タイトル)。研究内容の概略を簡潔に示すタイトルです。「あなたは何について研究していますか?」と聞かれたときに答える内容を一文で表現します。2. 研究背景と目的(What / Why)。研究の目的(What)と、なぜその研究を行うのか(Why)を明確に記述します。具体的には、研究の背景や社会的・学術的な課題、先行研究のレビューと、それに対する自分の研究の位置づけ研究の目的(何を明らかにしたいのか)をしっかり書くべきでしょう。3. 研究方法(How)。研究をどのように進めるか(How)を具体的に記述します。ここで最も重要なのは、研究が実現可能であることを示すことです。必要な装置やサンプルが入手可能か、調査先の許可が得られるかなど、実施可能な範囲内の方法を記載する必要があります。最近はAIがあるので、ここらは目途が立っていると思います。4. 期待される結果と予想。研究によって得られるであろう成果や結果を予想して記載します。あくまで予想であるため確約は不要ですが、その根拠や論理展開を示し、合理的な計画であることをアピールします。5. 研究の特色(新規性・独自性)。この研究が先行研究や類似研究と異なる点、他の誰でもなくあなたが研究する意義、研究結果が社会に及ぼす影響などをアピールします。ここは大切です。我々にような他者と議論して臨むとよいです。学会の支部に所属する先生に意見を聞くのもよいです。6. 引用・参考文献。先行研究を引用した場合は、計画書の最後に引用文献を記載します。分野によってフォーマットは異なりますが、著者名、出版年、論文名、雑誌名、巻号、ページなどを正確に記述します。

vol.160 学術的ギャップを突け(2026年6月20日号)

斉藤キョージュです。博士課程入学前に研究計画書を書くことは実に大切です。そのために、審査員や指導教員に「支援したい」と思わせることが重要です。なぜ教員が「指導したい」と思うのかと言えば教員の研究分野の中で学生の研究が学術的ギャップを埋めるに値する領域であれば喉から手が出るほど欲しいとなるのではないでしょうか。学術的ギャップ(リサーチギャップ)とは、特定の研究分野において、先行研究ではまだ解決されていない課題や、研究が行われていない未解決領域のことを指します。学術的ギャップは、既存の研究における欠如、弱点、または矛盾のことであり、新たな学術的調査の機会を生み出します。情報が欠けているか不十分であるために、リサーチクエスチョンに対する結論に到達できていない課題とも言えます。このギャップを特定することは、研究の目的や仮説を立てるための基礎となり、研究の重要性や新規性を示す上で非常に重要です。学術的ギャップは以下のような種類に分類されます:①実証的ギャップ:特定のテーマや対象集団に関する研究が存在しない②理論的ギャップ:既存の理論が特定の現象を説明できていない③方法論的ギャップ:研究はあるが、方法が限定的または時代遅れである④地理的ギャップ:他地域では研究があるが、自分の文脈ではない⑤対象集団ギャップ:特定の人口層に限定された研究が少ない⑥実践的ギャップ:知識はあるが実践に応用されていない⑦矛盾する結果:研究間で結果が対立しており解決が必要。ギャップ・スポッティングとは、既存文献における空白部分や欠落情報を特定し、それらを埋める新たな研究を立案することで研究課題を創出する一般的な手法です。新しい領域に入るため博士論文であっても基礎的な論文として位置づけられるものだと思います。その領域の案内人として他の研究者の窓口として機能するのでしょう。この手法は研究者が見落とされた領域を明らかにすることで既存知識を拡充するのに役立つ一方で、根底にある前提に疑問を投げかけず単なる「空白埋め」に終始する研究が主流となる危険性も指摘されています。学術的ギャップを特定することは、研究者、政策立案者、資金提供者に、どのような問題に取り組む必要があるのか、どのような種類の研究が必要なのかを知らせるのに役立ちます。博士課程入学前に作る研究計画でしっかり書くべき最も重要なポイントです。

vol.161 地理的ギャップを埋める研究(2026年6月21日号)

斉藤キョージュです。地理的ギャップ(contextual gap)を埋める研究の具体例としては、特定の地域など、これまで研究が行われてこなかった地理的・文化的文脈に焦点を当てた研究が挙げられます。これは、前回説明した研究の学術的ギャップの一種であり、特定のテーマに関する既存研究が豊富にあるものの、特定の地理的領域では研究が不足している場合に該当します。地理的ギャップを埋める研究は、特に初めて研究に取り組む人にとって人気のある選択肢です。なぜなら、既存の研究という強固な基盤の上に研究を発展させることができ、場合によっては既存の調査尺度を活用することも可能だからです。ただし、このアプローチを取る場合、その地理的ギャップを埋めることの重要性や、なぜその特定の地域や文脈で研究を行う必要があるのかを明確に示すことが求められます。単に「その地域で研究が行われていないから」という理由だけでは不十分であり、その地域特有の要因(文化的、経済的、社会的、環境的な違いなど)が研究結果にどのような影響を与える可能性があるのかを論じる必要があります。地理的ギャップを見つけるためには、既存の文献レビューにおいて「どの地域がまだ研究されていないのか」に着目することが有効です。ここはAIを活用すると方向性を特定することができます。

vol.162 日本にいながら海外の博士課程にオンライン入学はできるか(2026年6月22日号)

斉藤キョージュです。日本にいながら海外の博士課程にオンライン留学することは可能か。日本にいながら海外の博士課程にオンラインで留学することは、多くの大学で可能です。特に、近年はオンライン教育の普及により、現地に渡航せずに学位を取得できるプログラムが増えています海外の大学院では、完全オンラインで博士号(PhD)を取得できるプログラムを提供しているケースがあります。例えば、マサチューセッツ大学ローウェル校のMBAプログラムのように、国際認証を取得したオンライン学位プログラムが存在します。博士課程においても、テンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)がオンラインPhDコホートを拡大するなど、オンラインでの博士号取得の機会が広がっています。渡航費や現地での生活費がかからないため、トータルの費用を抑えられます。日本にいながら学べるので、仕事を継続しながら学位取得を目指すことは可能ですがやっぱ、3年間は集中して論文を書いてみてはと思います。

vol.163 長期履修制度なんて使っちゃだめよ(2026年6月23日号)

斉藤キョージュです。長期履修制度は、職業を有している、育児・介護が必要、障害があるなどの理由で、標準修業年限内での修学が難しい学生を支援するために設けられています。対象となるのは主に博士後期課程(3年標準)や博士課程(4年制)の学生で、学士課程や法科大学院の課程は対象外となる場合があります。博士後期課程では、通常の3年に加えて、最長6年までの長期履修が認められるのが一般的です。長期履修制度の大きなメリットは、授業料の総額が標準修業年限分と同程度に抑えられる点です。例えば、標準3年分の授業料を、選択した長期履修期間(4年・5年・6年)で分割して納めるため、1年あたりの負担が軽減されます。でもさ、博士課程入学前に研究計画をしっかり作り学会に投稿する査読論文も用意し博士論文の骨子を書いてしまえば1年ですむと私は思っています。そのためにAIは駆使すべきと思います。周到な事前準備が大切。長期履修制度なんて使っちゃだめよ。

vol.164 高度な研究計画とは何か(2026年6月24日号)

斉藤キョージュです。文部科学省は大学院博士課程の学生の待遇を改善する。大学が国から獲得する研究費の一部を人件費に充てるよう促す仕組みにする。優秀な学生は助教並みの年500万円ほどの収入が得られるようにし、研究に専念できる環境を整えると日経新聞が伝えています。高度な研究計画を立案して遂行できると大学から認められた学生と書いてあるが高度な研究計画とは何か。博士課程における「高度な研究計画」とは、単なる研究の概要ではなく、研究の実現可能性、学術的独自性、そして研究者としての資質を総合的に示すための戦略的な文書です。単なる計画書と一線を画す「高度な」研究計画には、以下のような特徴があります。まずは実現可能性を証明する必要があります。審査者が「この計画は実現可能だ」と納得できるよう、具体的かつ詳細に記述する必要があります。批判的視点が必要です。研究の限界や制約を正直に認め、それらが結果にどのような影響を与える可能性があるかを考察することは、研究に対する高度な理解を示すことになります。詳細な方法論や予備データを見せるのも効果があります。興味深い実態をAIを使い図化すると相手を説得しやすいと思います。研究の面白さや重要性を他者に伝える能力は、研究者にとって不可欠なスキルです。研究計画書はその能力を測る場でもあります。しっかり見せて語っちゃってください。高度な研究計画ができたら500万円はもちろんもらってくださいネ!

vol.165 日本学術振興会の特別研究員DC1へ応募する(2026年6月25日号)

斉藤キョージュです。日本学術振興会(JSPS)の特別研究員DC1に応募するためには、所属大学を通じて申請書類を提出する必要があります。個人での申請は受け付けられていません。以下に、主な手順と注意点をまとめます。応募資格と概要:DC1は博士課程の初期段階(標準的には博士課程1年次相当)から支援を受ける制度で、採用期間は3年間です。応募は、採用年度に博士課程2年次以上になる人が対象となります。採用倍率は約15%~20%と非常に狭き門です。申請手順:1. 募集要項の確認、まず、JSPSのウェブサイトで公開されている最新の募集要項(Application Guidelines)を必ず確認してください。令和9(2027)年度採用分の申請受付は終了していますが、今後の参考として情報が掲載されています。2. 電子申請システムの準備、特別研究員事業の申請は、JSPSの「研究者養成事業電子申請システム」を使用して行います。申請者用のID・パスワードは所属大学(申請機関)で発行されるため、大学の担当部署に問い合わせて入手してください。3. 申請書類の作成、申請書の作成には以下の4つの要素が必要です:申請書情報の入力、申請内容ファイルの登録、評価書の作成(システムから評価書作成者に作成依頼を行います)、特別研究員奨励費応募調書の入力。申請書は、研究計画の説明が最も重要な部分です。自身の修士研究と博士研究の関連性を明確にし、説得力のあるストーリーを構築することが求められます。また、審査員は専門分野が完全に一致するとは限らないため、わかりやすく簡潔な記述を心がけてください。4. 大学の内部締切を確認、JSPSへの最終提出期限(例:2026年度は4月上旬~6月3日17時)とは別に、各大学には独自の内部締切が設定されています。必ず事前に所属大学の担当部署に確認し、余裕をもって提出してください。5. 評価書の依頼、申請書情報をシステムに登録した後、システムを通じて評価書作成者(指導教員など)に評価書の作成を依頼します。6. 大学による確認・提出、大学側で申請書類の誤字脱字や書式の確認が行われ、必要に応じて修正指示があります。修正後、大学からJSPSに一括で提出されます。この申請書は斉藤がお手伝いしますよ。

vol.166 科研費の申請資格のある人はだれか(2026年6月26日号)

斉藤キョージュです。科研費(科学研究費助成事業)に応募するための資格は、主に「研究者としての登録」と「受入研究機関への所属」という2つの条件を満たす必要があります。基本的な応募資格は以下の3つの要件を全て満たす必要があります。1.該当機関で研究活動を行う者として所属していること2.実際に研究活動を行っていること3.学生の身分でないことの3つです。具体的には、研究者個人に付与される研究者番号を持ち、かつ科研費の事務手続き等を代行してくれる受入研究機関に所属していることが必須です。大学の専任教員や企業の研究職の方は、通常この条件を満たしているため応募資格があります。受入研究機関となるためには、研究機関自体が科研費の申請資格を取得している必要があります。新規に申請資格を取得する場合、研究機関は「教員1人当たり年間36万円以上の研究費」を自前で持っていることが条件とされています。大学の非常勤講師、大学の事務職員独立系研究者(受入研究機関がない場合)は応募できません。特に、研究者番号を持っていても、勤務先の大学が受入研究機関になってくれないケースが非常に多いと聞いています。

vol.167 そもそも科研費とは何か(2026年6月27日号)

斉藤キョージュです。科研費(かけんひ)は、正式名称を「科学研究費助成事業」といい、日本の文部科学省が所管し、独立行政法人である日本学術振興会(JSPS)が審査と交付を行う競争的研究資金制度です。この制度は、人文・社会科学から自然科学に至るまでの全ての学問分野において、研究者の自由な発想に基づく独創的で先進的な学術研究を支援することを目的としています。科研費は、研究者個人または研究グループが行う研究に対して、厳格なピア・レビュー方式(専門分野の近い複数の研究者による審査)を経て資金を配分します。この競争的な審査プロセスにより、最も優れた研究提案にのみ資金が交付されるため、採択されなければ1円も得られない「競争的資金」としての性格が強いのが特徴です。研究費は、研究の遂行に直接かかる「直接経費」と、研究環境の整備などに充てられる「間接経費」に分かれており、間接経費は配分額の約3割が所属機関に加算配分されます。資金の使途は厳格に管理され、領収書の保管や年度ごとの報告書提出が義務付けられており、不正使用が発覚した場合は返還や研究停止の処分が科されることもあります。科研費は、研究の規模や期間、性質に応じて複数の研究種目に分類されています。主なものとして、国際的に高い評価を得ている研究を重点的に支援する「特別推進研究」、科研費の中核をなす「基盤研究」(S・A・B・Cの4段階)、挑戦的な研究を対象とする「挑戦的萌芽研究」、39歳以下の研究者1人による「若手研究」などがあります。これにより、若手研究者から大規模プロジェクトを率いるベテラン研究者まで、様々なキャリアステージの研究者が応募しやすい仕組みとなっています。科研費は国民の税金を財源とする公的資金であり、科学技術の進歩や社会課題の解決、未来のための研究といった公益性の高い研究を支援する重要な制度です。年間の申請件数は約8万5千件にのぼり、そのうち約2万1千件が採択されており、大学等の研究者にとって不可欠で信頼性の高い研究資金として定着しています。

vol.168 英語での授業能力が求められる時代になる(2026年6月28日号)

斉藤キョージュです。大学教員の公募において英語での授業能力が求められる背景として一番大きな要因は、日本の若年層の減少により大学の定員数が割れ、存続危機にあるからです。必然として外国人留学生の受入れが必要となり授業も英語とならざるを得ないという理由があります。日本社会のグローバル化の急速な進展なんて表向きの理由です。日本では、知識・技能の習得に重点をおいた従来の座学の授業から、対話を重視したな授業への転換が国を挙げて進められています。NHKテレビで人気を博したサンデル先生。これさすがにできないですよね。でも英語でPPTを作り説明しながら話すくらいならできるのではないかと思います。多くの大学が今後生き残りをかけて国際化を推進すると思います。外資系のコンサルタントとかシンクタンクに就職するとかJICAの仕事を受託するコンサルタントに就職するなんて検討してもよいかと思います。大学が国際的な教育プログラムを展開し、留学生の受け入れや海外大学との連携を強化する上で、英語での授業能力が必須となる時代はもうすぐです。周到に準備してみてはと思います。

vol.169 外国の博士課程では給与が支払われるのが一般的(2026年6月29日号)

斉藤キョージュです。外国の博士課程では「給料(給与・スティペンド)」が支給されるケースが一般的です。特に欧米の多くの大学では、博士課程の学生を「研究者予備軍」または「従業員」として扱い、授業料の免除に加えて生活費相当の給与を支払う制度が整っています。なぜ給料が支払われるのか。海外の博士課程では、学生は研究や教育の労働(リサーチアシスタントやティーチングアシスタント)を提供する代わりに、その対価として給与を受け取ります。日本とは異なり、博士課程の学生は「学ぶ立場」ではなく「働く立場」として位置づけられることが多く、そのため学費を支払う必要がなく、むしろ収入を得られる仕組みになっています。このほうがいいですね。アメリカでは、トップ〜中堅大学の博士課程学生は基本的に授業料が免除され、ほぼ全員に月15万円〜30万円程度(年額約$40,000〜$50,000)の給料が支払われます。ただし、この金額は大学のある都市の物価や大学のレベル、学科によって変動します。スイスでは、ETHチューリッヒやEPFLのような大学で、博士課程の学生は年間48,000〜70,000スイスフラン(約59,000〜86,000米ドル)の給与を得られます。これは博士課程の学生を正式な従業員として扱うヨーロッパの国々の特徴です。カナダ(UBCの例)では、手取りベースで月あたり約24万円前後が目安となっています。贅沢はできないものの、研究に集中して生活するには十分な額とされています。私の友人(30代)はスコットランドの博士課程に在籍しその後、ドイツの大学に移籍しました。給与をもらい、奥さんもレストランでバイトしてました。その後、日本の理化学研究所の理研ECL制度を活用して研究者として帰国しました。これからおそらく日本の大学の教員となるのでしょう。こんなコースもありますね。

 

vol.170 出産育児後の研究者支援制度(2026年6月29日号)

斉藤キョージュです。学振のRPD(特別研究員-RPD)は、出産・育児により研究活動を中断した研究者が、円滑に研究現場へ復帰できるよう支援するための制度です。RPDは、「Restart-Postdoctoral fellow」 の略称で、日本学術振興会(JSPS)が平成18年度に創設しました。非常勤研究員や任期付きポスドクなど、育児休業制度が適用されない立場で出産・育児を経験した研究者が、そのまま職を離れざるを得ず、研究現場への復帰が困難になるケースを支援するために設けられています。対象者は採用年度の4月1日時点で博士の学位を取得している者です。研究中断の要件は出産・育児のために、6週間以上研究活動を中断した者が対象です。子ども一人につき一度応募可能であり、過去に学振PDやRPDを務めた研究者でも応募できます。男性も応募可能です。採用期間は3年間(採用開始日は4月・7月・10月・翌年1月から選択可能)。研究奨励金は月額36.2万円(フェローシップ型RPDの場合)。特別研究員奨励費(研究費は毎年度150万円(審査を経て交付)です。採用予定数は75名程度(2025年度実績)。採用率は約34.9%(2025年度実績)です。これは学振PDと比較して高い水準です。RPDに採用されると、研究奨励金と研究費が支給されるため、研究に集中できる環境が整います。実際にRPDを経験した研究者からは、時間と気持ちに余裕が生まれ、自分の研究の新たな方向性や可能性を見出すことができたという声があります。研究費を活用して、調査の効率化や研究環境の整備が可能です。

 

 

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