大分県庁訪問

竹田市「水・発酵商店街・交流の雇用創造大作戦」



角野大分県商工労働部長訪問(2007.03.09)

ハイブリッド型の地域再生戦略(大分学・大分楽Vより抜粋)

大分県商工労働部長 角野然生

異質なものの融合が、新しい展開を生み出す

地域再生や地域経済活性化のプランを考えるとき、それが独りよがりになったり、自己満足で終わったりしないようにすることが大事である。そのためには、必ずしも地元の人だけによる純血主義にこだわる必要はない。地元資源の価値の再発見や、新しいアイデアの創出は、案外外部の人によってもたらされることが多いからだ。永年住み慣れた土地の人では、その土地にあるものが、あまりに当たり前になりすぎて、地域の外の世界で評価されている本当の価値に気づかないことがよくある。従って、地域再生を、「その地域にある資源を有効活用することによって、当該地域に再び活力をもたらすこと」と捉えるならば、その担い手は地元の人に限る必要はないし、むしろ外部世界の人たちとネットワークを張って協働した方が、新しいものを生み出す可能性が高まろう。例えば、この大分学を提唱し、推進している人たちの多くが県外出身者なのも、これに通じるものがある。大分県は昔から神仏習合、戦国時代の和洋混合という形で固有の歴史を形成してきた。現在、市町村合併や三位一体の改革の中で、各自治体間の地域間競争が熾烈を極めているが、今こそ、大分における各地域の活性化を、それぞれの地域だけで閉じこもって行うのではなく、外にも目を開いて外部の資源を利活用することが重要である。異質なものとの出会いと融合、つまりハイブリッド(混成)型の発想こそ、行き詰まった地域社会を活性化させるキーワードと言えよう。(中略)

ハイブリッドと純血主義

ハイブリッド的な展開が行き過ぎると無秩序状態になる。先述したとおり、昨今の由布院もそこに苦悩している。人混み、渋滞、不統一な看板の数々、建物の乱立による景観の破壊など、過度な混合は、その地域が望む方向の発展をかえって妨げる。このため、一定の規則が必要となってくる。この点をどう考えていくべきか。

ゲーム理論で著名な学者アクセルロッドは、その著「複雑系の組織論」で面白いことを述べている。生物の種や、組織、システムなどにおいて、突然変異の確率が低ければ低いほど、「初期収束」という状態になる。この場合、現状維持の安定維持が続くが、変異性や多様性が損なわれ、環境の大きな変化に適合できないリスクが高まる。一方、突然変異の確率が高まれば高まるほど「永久沸騰」という状態に近づく。この場合、多様性は増すが、変異性があまりに高いため、システムは破壊され無秩序になり、生物の個体群も継続的に生き残ることができない。

これを地域の問題に置き換えてみよう。地域内での閉じた取組みに終始した純血主義では、多様性や変異性が失われ、環境変化に対応できずに衰退してゆく可能性がある。しかしながら逆に、外部世界とのやり取りが増大しすぎると、地域性そのものが失われてしまう危険性もある、と言えるのではないだろうか。つまり、適度のハイブリッドな展開を図るためには、常に関係者が注意して情況を見続け、必要に応じて最小限の規制を行ってゆくことが必要であることを示唆していると言えよう。(中略)

おわりに

ハイブリッド型の地域再生戦略について、まとめてみよう。まず第一に、自己資源の価値についての再認識が必要である。冒頭の徳島県の例から分かるように、全国どこにでもある山の葉っぱさえ、見方を変えれば貴重な地域資源となりうるのだ。ただ、地元の人はその価値に気づいていないことが多い。外部者による自己資源についての客観評価が大事である。地域が持つ資源の価値を考えると、実は高齢化、過疎化といった「問題」すらも、資源になりうる。逆転の発想が大切である。

第二に、外部資源の取り込みが新たなアイデアの創発につながるという点である。従って、異質なものを取り込み、異質なものを取り込もうと挑戦する人をコミュニティとして大切にすることが何より大切である。妬みや足の引っ張り合いは、何も生み出さない。行政としても、何でも悪平等的に均等に扱うのではなく、頑張って汗をかいている人を応援し、そうした努力が報われるような地域社会づくりを心掛けるべきであろう。

第三に他流試合をどんどんすべきである。地元の狭い社会だけにいて地域再生はおぼつかない。産品の開発と販売にしても、外部市場に積極的に出かけていって競争にもまれ、消費者の厳しい要求を体で受けながら、それを地元にフィードバックして商品開発に結びつけてゆく不断の努力が重要だ。そうした厳しい世界を通過した地域は、自分の地域に自信と誇りを持ち、町や村が活き活きとしている。そういうところには、若者も都会から戻ってきている。逆に、競争は厳しいからといってそれを避けていれば、地方は確実に荒廃に向かっていく。行政としてもそうした挑戦精神を大切にし、温かく支えていく姿勢が大事である。


岡城址(2007.03.08)
中心市街地(2007.03.08)
中心市街地〜2(2007.03.08)
味噌汁の素、切干大根、どんこ椎茸(2007.03.08)
佐伯市名産ごまだし(2007.03.09)
本匠村農産加工施設(2007.03.09)
仲町商店街(2007.03.09)
角野大分県商工労働部長訪問(2007.03.09)
Mikel Toshi
ご意見お待ちしています
このHPに掲載の情報・写真等の転載を禁じます。
すべての著作権はMikelに帰属します。
(C)2007,Toshi All Right Reserve.