天空の郷「農山漁村(むら)の宝」に高知新聞2014年5月
高知県本山町の「町特産品ブランド化推進協議会」がこのほど、農林水産業を生かした地域活性化の成功例として、政府の「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」に選ばれた。特産品の棚田米をブランド化し、加工品開発やイベントにつなげた一連の取り組みが高く評価された。
「ディスカバー○○」は、地域活性化に取り組む優良事例を全国に配信しようと、政府が今年2月に公募。全国から約250件の応募があり、有識者懇談会(座長・林良博国立科学博物館長)が、地域の潜在能力を引き出している、経営マインドを持っている―などの観点で審査。23団体を選定した。
同協議会は2008年に町農業公社や農家なので設立。室戸海洋深層水のにがりを使って生産した良質の棚田米を「土佐天空の郷(さと)」の名前でブランド化し、10年に静岡県で開かれた「お米日本一コンテスト」で、西日本勢初の最優秀賞を獲得した。
「天空の郷」を使ったどぶろくや焼酎などの加工品も開発。棚田で大学生らと「田んぼアート」を制作したり、東京・銀座でのイベントに参加して都市部と交流したりと、「ファンづくり」に力を入れている。
今回の選定は、「天空の郷」を軸にした地域活性化の広がりが認められた形。農林水産省の担当者によると「地道で継続的な取り組みが評価された」という。
同協議会長は「県内唯一の選定でうれしい。地域の人にもっと取り組みを理解してもらって、活動を広げていきたい」と話した。23団体の取り組みや成果は、他地域の参考にしてもらうため、農水省がホームページで紹介。6月には関係者が首相官邸に集まり、意見交換会や選定証の授与が行われる。