能勢地域小中高一貫教育・連携型中高一貫教育発表会、能勢高校SGH中間発表会
片寄俊秀(能勢高校SGH検討委員会委員、関西学院大学元教授)コメント
能勢に斎藤さんを送り込んだ張本人の片寄です。昨日は斎藤さんの講演を拝聴しに大阪府立能勢高等学校に行ってきました。アフリカのソンガイ族のことわざに、「旅をしない人は決して賢人になれない」という素晴らしい言葉があります。やはり若ものたちには旅をさせるとしゃきっとする、と実感しました。SGHに素晴らしい風を吹き込んだ能勢高校のマレーシアでの研修報告に感動しました。
何度かこの学校で話をしたことがありますが、まじめではあるけれどまあ田舎の高校生だなあ、というのが率直なところでした。しかし、彼らを放りだすと、能勢というすてきな風土で育った地力が見事に花開くのですね。斎藤マジックの真骨頂といえましょう。お茶の世界では最高級の能勢の「菊炭」生産の現場とつなげながら、マレーシアの炭作りによるマングローブの乱伐とそれを克服しようとする努力をつぶさに見てきた彼らの鋭いまなざしがいい。SGHは、国連などに多額の出資をしながらも国際的な地位が低い日本の現状を憂うところから、世界の指導者となるような国際エリートを育てたいというぎらぎらとした野心をつよく感じていました。そして、そういう方向性は根本的に間違っているとかねて思っていました。特に開発途上国での国際機関などに接してみると、もちろんまじめな素晴らしい人物もいるのですが、口だけが達者な連中が大きい顔をしている現状にげんなりすることがしばしばあります。
能勢高校のSGHの狙いは、そういう人物を育てるのではないと明確に打ち出したことが新鮮で、審査員のなかの、よくわかっているまじめな人たちの心を打って勝ち取ったのだと思います。国際化とは、英語が達者なだけの連中をのさばらすことではありません。地についた泥臭い活動をいとわない、指導するのではなく共に汗を流す活動を展開する人物を送り込んでいかなければ、世界からは決して信用されないでしょう。
堂々と報告する、たった数日で見違えるように成長した(校長先生の話)若者たちの輝く姿を見ながら、いい表情しているなあと老爺は感涙にむせんで居りました。
谷充郎(銀寄委員会代表)
能勢高校SGH中間発表会に能勢銀寄委員会のメンバーで行ってきました。「グローバルスタンダードへの警鐘」が一番心に残りました。家族でやったバーベキューの炭が、マレーシアのマングローブ炭であることから能勢の菊炭の学習をしていく。経済の論理から生活の様式まで変化させられる。外国の安い炭の為に能勢の菊炭は作られなくなった。安い外材が入ってきて、先祖が植えてくれた能勢の杉・桧は放置されている。山が枯れ、猪や鹿が田圃まで降りてきて、作物被害に結び付く。身近な能勢の課題が世界経済と結びつき、価値あるものが見逃されていく。そして、能勢から人口が減少していく。
能勢銀寄委員会は能勢にある資源(ヒト・モノ・コト)を見直し、価値を高めようという活動だ。能勢高校との連携協議も重ねている。能勢銀寄委員会の活動が一人ひとりが豊かさや幸せを感じる活動になればうれしいなと思います。
第Ⅰ部 公開授業
- 東・西中学校3年生を対象とした国語、数学の高校授業を先取りした発展的な授業
- 能勢高校2年生と東・西中学校3年生を対象とした英会話の授業
- 能勢高校2年生と東・西中学校3年生と町内2歳児とその保護者を招いた交流授業
- 能勢高校2年生と久佐々小学校4年生を対象とした「農場の果実を使ったジャムを作ろう」の授業
- 能勢高校1年生と東・西中学校3年生を対象とした「よのなか科」アクティブラーニング「15歳は大人?それとも子ども?~大人と子どもの境界線はどこに」の授業
- 能勢高校1年生と東・西中学校3年生を対象としたSGH英語プレゼンテーション講習「Where did you go? ~海外旅行での体験を話そう」
- 能勢高校2年生SGH選択生徒を対象としたSGH課題研究、海外研修等にもとづく中間発表準備
第Ⅱ部
- 能勢高校2年生SGH選択生徒12名によるマレーシア研修報告・英語プレゼン(指導助言:大阪教育大学准教授 乾陽子
- 講演:「地方創生と教育の魅力化~SGHの研究開発を通じて」斉藤俊幸