土木計画演習V ビジネスプラン講義「手前味噌」


ビジネスプランテーマ:ラオスにおけるJhai財団 が推進しているIT化事業

辻本真大(電子・電気学科3年)





ペダルパワーはラオスのネットの夢を追い立てる。


BBC NEWS(2002年11月21日付け記事を翻訳)
Alice Donald


自転車のパワーで動くPCが遠い村をオンラインにする。


・ ラオスのインターネットは遅れている。 ラオスは鎖国政策を行っていた最貧国であるが、最近になってやっとインターネットの導入を図り始めた。
・ 首都、ビエンチャンでは多くのインターネットカフェが立地し始めた。このインターネットカフェでは毎分数セントで Web アクセスを提供している。
・ ラオスではたった4つの高校しかコンピュータを持っていない。 多くの学生は使用するのを何ヶ月も前から待たなければならない。
・ ラオス南部の Pakse 高等学校の学生は幸運な方である。 生徒数2,000人を抱える高等学校であるが、小さいコンピュータ室を持っている。
・ 学生はインターネットを熱心に勉強している。
・ Pakse のある学生(16歳)は「私は、CNNニュースやBBCのような情報を検索するのが好きです。」と言う。また 「私は新しい映画、あるいは宇宙航空学について検索することが好きで、 Nasa のWeb サイトを好んで見ています。」
・ 彼ら学生が少年バンド「West life」や「マンチェスター・ユナイテッド」に関するサイトに向かっているとき、生徒は周りに寄り集まってきて興奮で息をのんでいる。
・ こうした姿は彼らの両親や祖父母(戦争と鎖国の10年間の間に生きてきた)がほとんど想像できない姿である。

グローバル村


・ 高校のインターネットではわずかながらの可能性を見せ始めてはいるが、ラオスの地方部はさらにもっと遅れている。
・ ホンカム村の村人は、彼らの織布を販売するのにネットを使用したいと考えている。 しかし、ここではあまりにも事情が違う。
・ ホンカムという村はビエンチャンから北におよそ二時間ドライブした位置にある。 この農村は柱の上に木製のからぶき屋根を載せた集落である。そして家の前には数キロに渡り、泥道になっておりトラックが通過している。
・ 通過するほんのわずかなトラックによってでも赤いほこりが立ち込める。 雨季には、道はグチャグチャな泥沼になる。そしてその後猛暑になり、道は危険なうねと穴という状態になる。
・ そんなところにインターネットなんてあるはずはない。しかし、こんなホンカム村にもまもなくインターネットがやって来ようとしている。
・ ホンカム村はインターネットを導入するプロジェクトの中で選ばれた5つの村のひとつである。
・ この地方PCプロジェクトは高校のインターネットセンターと同様に、Jhai 財団によって支援され設立された。
・ このプロジェクトの基礎はアメリカの退役軍人Lee ThornとBounthanh Phommasathitによってつくられた。(Bounthanh Phommasathitはベトナム戦争のときにラオスが激しい爆撃にあい、彼女の故郷の家から脱出した経験を持っている)
・ Jhai財団 は井戸を堀って、そして手工芸品を作るために村人と共に働いていた。 けれども村人が必要としていたものはインターネットへのアクセスであった。

頑丈なPC


・ Jhai財団 は厳しい条件下で、そして技術サポートなしで稼働できるコンピュータを考案するためにシリコンバレーで開発を行った。
・ Jhai PCは壊れやすいハードドライブメモリーを使わず、フラッシュメモリチップを使った。
・ Web は地方の村でも機能するだろう。
・ PCは既成部品で組み立てられる。
・ そしてコンピュータ稼動時には20ワット以下の電力となるよう設計されている。
・ このコンピュータは非常に丈夫にできており、汚れや暑さ、水の潜入があっても稼働することができると言う。
・ 電源? 解決策は簡単である。ペダルパワー。自転車をこいで車のバッテリーに充電し、その電力でJhai PCを動かすことができるようになっている。
・ 村のPCは太陽発電で動く丘の上の中継放送局へ無線のインターネットカードを通して接続されている。そしてそれは30km離れた最も近くの都市、ホンコンに信号として送られる。そしてこの町では電話、そしてインターネットに順番に接続されているのだ。

我々は一度もインターネットを使ったことがない、そして我々は何がそこにあるか知らない〜ホンカム住民


・ この巧妙なジグソーパズルの最終的な仕上げはリナックスベースのソフトウェアである。(村人がラオススクリプトを使用することができるように、Jhaiはそのソフトウェアをカスタム設計している)。
・ 設備は2003年前半までにホンカム村で稼動する予定である。そして村人は早く始めたくてむずむずしている。
・ ネットワークによって彼ら村人は市内電話をかけることができるようになり、さらに初めて、簡単に国外の親類と話をすることができるようになるであろう。
・ 「我々のために多くの利益があるであろう」、とホンカム村で女性たちの組合を率いる Vandone Chanthavong が言う。 「我々は村内で電話で交流することが可能になるであろう。そして、また、他国の人々と接触することもできるだろう。」「我々は、学生が情報を得るのを助けることができる。そして、村の経済を改善できるだろう。」

大きな期待


・ 村人は今、米と他の農作物の収穫で生計を立てている。(一部の人はJhai財団 が導入を支援した有機農業方法を感謝している。)
・ しかし、農作物の収穫で利益を上げるために、彼らは価格に関する正確でタイムリーな情報を必要としている。
・ コンピュータネットワークは、彼らが、ホンコン市場までの60kmを往復すべきかどうかを判断する価値があるかどうか決めるのを助けるであろう。
・ 「多くの家族が非常に貧しい」と Vandone が言う。 「人々が病気であるとき、しばしば我々は薬を買う金を持っていない。
・ しかし、もし我々がインターネットを持っているなら、我々は他の村に売り物のニワトリを広告することができる、そしてそれで我々は薬の支払いができる。」
・ 村の女性たちは織物を作っている。そして、それらの商品をドイツと米国に販売するのにインターネットマーケティングを使用する計画を持っている。
・ 簡単な販売サイトではあるが新たなビジネスを展開できる可能性を持っているのだ。
・ そして、この作業が完了したなら、村人はいくつかの希望をもっている。
・ 「我々は前に一度もインターネットを使ったことがない。そして我々は何がそこにあるか知らない」と Vandone の夫 Khamphan が言う。 「しかし、我々は学んだり探検したい。」
・ まもなくホンカム村のティーンエージャーが「West life」 と「マンチェスター・ユナイテッド」を探してネットをサーフし、デジタルディバイドの向こう側にいる彼ら自身が最初の跳躍をしているかもしれない。

BBC NEWS(2002年11月21日付け記事)


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