土木計画演習V ビジネスプラン講義「手前味噌」


ビジネスプランテーマ:フュージョン長池

望月佑(土木学科3年)


■ヒアリングシート1(ワードファイル)
■ヒアリングシート2(ワードファイル)



1.山本さんによる長池ネイチャーセンター内での説明

●NPO立ち上げの経緯
・富永一夫氏(現理事長)が、団地の自治会長を引き受けた事が全ての始まり。
・1996年7月、見附ヶ丘連絡協議会設立(4団地)。
・同年8月、夏祭り(第一回見附ヶ丘フェスティバル)を各団地で開催。
⇒このとき、連絡手段の確立を痛感。メーリングリストとホームページを使用
→コミュニティサーバー・・・(有)ラクーン多摩の羽田野社長の仮説。
・1998年3月、NPO法案が成立。
・同年4月、メーリングリスト(電子井戸端会議)開設。
⇒コミュニティ形成のすばらしい道具。
・1999年4月、長池小学校にてNPO・長池の設立総会。同時にNPO・FUSION長池ホームページ「ぽんぽこウェブ」開設(その後、利便上の問題で法人格取得へ)。
・同年12月、東京都の法人認証、登記完了。現在に至る。

●FUSION長池は、父親中心でコミュニティが形成される(会社のパソコンでメールのやり取り)。「道で誰かと会ったら、挨拶できて気持ち良いまちづくりがしたい」

●主な事業内容
・住宅管理支援事業(住見隊 すみたい)⇒「分譲団地の自主管理」を支援することを目的とする。2000年4月より、本格的な事業活動を開始。現在2団地と契約。今年度(2002年)は、ペイオフ解禁を睨んだ住宅修繕計画用の積立金の運用方法(信託勘定)についての提案を事業活動と考える。
・夢の住まい作り支援事業(夢見隊 ゆめみたい)
⇒主に公団用地を「居住予定者が建設組合」を結成して、公団より土地を「グループ分譲」してもらい、その土地の上に「コーポラティブ住宅」を建設することを目的とする。
・高度情報化支援事業(高支隊 こうしたい)⇒NPO法人設立後初の本格的活動。「高速インターネット促進署名」を地域の9団地(2375世帯)のうち69.1%にあたる1687世帯から集める。このことにより、東京めたりっく通信(当時。現在YAHOOに吸収合併)と契約し、2000年12月1日から八王子市域・柚木局からADSLサービスの開始。2001年3月1日から多摩市域
・乞田局からのADSLサービスの開始を実現。現在は、「地域活動のコンテンツ情報提供活動」に事業をシフトする事を考え、これにより「多摩ニュータウンLAN(たまらん)」が実現し、多摩ニュータウン生活圏が情報ネットワークによって繋がるよう事業展開を図る予定。

●その他の活動
・40日間学校開放
⇒40人の両親がいれば夏休みの学校開放が可能。エレクトーン、スポーツ、金銭教育など、個人の特技を生かした取り組み。
・PCレスキュー隊⇒地域の住民に対して、パソコン、メール、インターネットなどをスムーズに使用する上で役立つ情報を提供する。
・里山活動(FUSION長池とは別組織の長池里山クラブが主催)
⇒春〜秋は水田・畑を中心に活動し、冬は雑木林の手入れを行うなど、年間を通じて継続的に活動し、かつての里山と住民が培ってきた里山文化の受けつぎながら、残された自然も保全しています。米作りや野菜作りの他に、「炭焼き」や「木工細工」、「自然観察」、「収穫祭」、昔ながらの地元の行事「どんど焼き」なども行っている。
・街並み探検隊
⇒まち歩きが好きな人たちが集まって、普段歩き回らない自分たちの住むまちを散策したことが始まり。自分たちの住むまちだけでなく、他のまちへも遠征(鎌倉、木更津)。

●長池ネイチャーセンター
・八王子市から八王子市長池公園自然館(長池ネイチャーセンター)の管理・運営委託契約締結したことに伴い、2001年7月1日よりその任にあたる。
・拠点を持ったことで、NPO活動の幅が広がる。
・地域活動に自由に使って頂けるよう「場の提供者」として「喜ばれる管理・運営」を行うことに勤める。
・常時3人体制で管理(NPO以外からの人も含む)。
・将来的には、100Mの光通信を活用した「地域のインターネット放送局」の構築を目指す。

●FUSION長池事業パラダイム(ひまわりの図)。

●人件費
・富永氏→ネイチャーセンター館長としての給料
・山本氏→ネイチャーセンターSTUFF(時給制)

●会計 ・和田氏が担当。
・収入→11,650,000円(2002年度公園管理・運営委託費)。
・市議会で委託費用の予算が決定。
・八王子市公園課と折衝(富永、川端両氏)。

●FUSION長池の現状
・お金(予算)が無い→じゃ、稼ぐしかない(当たり前)。
・人が足りない(専従は富永氏ただ1人)。多くの協力者がいるものの、彼らにボランティア以上のことを要求出来ない。
・情報はうんざりするぐらい入る。1日のメール受信数は100通を越える。
・我々にとって幸運だったのは、ネイチャーセンターを獲得できた事だ。ここを活動拠点にする事で、より多くの可能性が見えてきた。

●コミュニティビジネスに関する持論
・豊かな暮らしをしたい。その欲求の中で、求めても得られないものを提供する。
・ボランティアとビジネスのごった煮。
・暮らしを実感できる仕事。⇒例:豆腐人の営みがある所ならばどこでも売れる→でも、山を越えてまで行くのはめんどくさい→それじゃ、自分が売ればいい⇒例:住宅、ADSL良質を求めて騒ぐ→実現
・NPOは特別なものじゃない。ファッションにしては駄目だ。
・当たり前のもので欠けているものを提供するのだから、パイの大きいところに飛び込め。
・日本人は、戦前のコミュニティにがんじがらめだった反動で、ここ半世紀あまり、欧米的なグローバルビジネス(狩猟)を追求してきた。しかし、同時に日本人本来の生活(農耕)をおざなりにしてしまった。
・コミュニティビジネスは自主・自立と地域の助け合いを実現する手段。都心に出稼ぎに行かなくてもいい。そういう帰る場所があればいつでも戻れる。これはもはや民族のDNAです。
・グローバルビジネスとコミュニティビジネスはいわば振り子のようなもの。どっちに傾きすぎてもいけない。ちょうど真ん中で5:5になるのが理想的だよ。

●ぽんぽこカフェ
・長池ネイチャーセンター内で2002年9月より、毎週日曜10〜12時OPEN。
・フュージョンの会員向けに設定をした「かふぇ」であるが、コーヒーを飲みながら誰でも気軽に参加できるサロンになっている(この日も、何人かの方々が「かふぇ」を訪れており、我々のヒアリングにも積極的に参加していた)。

●その他
・会員しか活動に参加できないと勝手に解釈している人がいる(実際には、参加資格については会員とその他での差別はない)。それ自体は悪い事ではない。地域にはさまざまな人がいて、考え方や信条も1人1人異なる。地域に根付く事を急ぐあまり、無理やり参加させることこそお仕着せだし、かえって逆効果だ。
<補足>今回のヒアリングに飛び入り参加した柏田さんから見る富永理事長の姿

●切羽詰まるのが仕事
・住民同士や役所と住民の間に入る調整役。
・常に緊張感を持っている。

●NPO活動を行う先駆者。
・時には犠牲者になってしまう。

●自らの理想のため、脱サラしてNPO活動に取り組むスゴイ人。
・変わり者じゃないとできない。



FUSION長池理事長の富永一夫氏に初ヒアリング
みんながわいわい集まってきた。
長池、まわりはぽんぽこの里山
昌子先生が保存運動を提起し、保存が実現した四谷見付橋も長池にある。

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