社会課題を出発点に横断的な領域で実践する
「問題起点からのプロジェクト形成」「分野横断型プロジェクトの実践」「社会そのものの再構築」という三つがカギを握る。人材育成と社会実装を同時に実現することが肝要である。分野ではなく「社会課題」を出発点とし、それに必要な知識を学際的に統合するために図から考えることはとても大切な時代に入る。現状分析と社会課題、インパクトとロジックモデルを図から理解する。
社会課題とインパクト
農山漁村は、国民に安定的に食料を供給する基盤としての役割を果たすだけでなく、洪水・土砂崩壊防止や生物多様性の保全、地域社会の振興等の多面的な機能を持っている。そのため、農山漁村の人口減少から生じる課題は、都市部へも大きな影響をもたらす可能性があり、都市部を含む社会全体や企業にとっても共通の課題と言える。農水省は農山漁村の課題解決につながるインパクトを7つに分類・特定している。※日本学術会議「地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的な機能の評価について(答申)」 より
ロジックモデル
ロジックモデルとは、プログラムやプロジェクトの構造や機能を視覚的に表現したもので、特定の目標を達成するために必要な要素やその因果関係を示すものである。これは、事業の設計図として機能し、資源(インプット)、活動、成果物(アウトプット)、および最終的な成果(アウトカム)を体系的に整理するためのツールである。
ロジックモデルの主な要素
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インプット: プログラムを実施するために必要な資源(人材、資金、設備など)。
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活動: プログラムが実施する具体的な行動やサービス。
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アウトプット: 活動の結果として生じる具体的な成果物やサービスの提供。
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アウトカム: プログラムの実施によって期待される変化や影響。これには短期的、中期的、長期的な成果が含まれます。
ロジックモデルを作成することにより、プログラムの目的やその有効性を確認し、外部の関係者との協力を促進することができまる。また、プログラムの進捗を評価するための基盤を提供し、必要に応じて改善点を見つける手助けにもなる。このように、ロジックモデルはプログラムの計画、実施、評価において非常に重要な役割を果たす。
コンセプト図
コンセプト図はロジックモデルと連動する。ロジックモデルとコンセプト図の整合性を図ると初めて文章化することができる。図から考える論文、計画、申請書を書いてみてはどうでしょうか。