農水省が指し示す農村寄添い事業体とは何か
地域政策は大きく曲がり始めている
農水省は人材等不足地域・活躍限界地域を問題提起。総務省は地方分権改革の限界を認め市町村事務の再編・統合を再検討を表明した。人口減少による消滅よりも、自治体の機能不全のほうが喫緊の課題なのは明白だ。総務省は300人を超える地域力創造アドバイザーを削減した。集落存続を担うのはスーパーマンのような外部人材ではなく農村寄添い事業体という収益性のある地域ビジネスが中心となるのではないか。農水省では足し算ではなく掛け算への転換を表明し、イノベーションの強化を図る方針だ。また農水省は、日本中央競馬会の競馬収益を活用して、農地の大規模化を進める方針を発表した。今の硬直した状況を打破するために農地、農村、地方自治の分野で急展開が図られていいる。地域政策は大きく曲がり始めているのではないか。

人材等不足地域、活躍限界地域が全国を覆い始めている
【農水省の政策提言】急速な人口減少や高齢化に加え、地方自治体の職員減少による自治体間格差の拡大によって、①施策をどれだけ充実させたとしても、それを使いこなすことができる人材や組織等が十分に存在しない地域(人材等不足地域)や、②人材や組織等が存在していても、人材の世代交代、周囲の価値観の変容、行政職員の温度、人間関係等の様々な要因によって、十分に活躍できていなかったり、地域内に効果が波及しない等の限界が生じている地域(活躍限界地域)が増加し、いわゆる「むら・むら格差」が拡大していくことで、農村振興施策を講じても、十分に活用できない地域が増加していくことが想定される。また、地域全体の人口減少や高齢化が進むだけでなく、地域活動に主体的に取り組む人材の数が極めて少数となり、また、業務の十分なスリム化・効率化が伴わずに自治体職員の減少が更に進み、こうした人材一人一人が抱える負担が大きくなることによって、これらの地域において、活動の実施や継続が困難となっていくことが想定される。農村政策の新たな動きとして、収益性に加えて、社会課題の解決を重視し、農山漁村で活動する外部の企業等が現れ始める中、農林水産省は外部の企業等の活用を重視するよう変化してきており、「人材等不足地域」や「活躍限界地域」にも、こうした施策の効果を波及させていくことが重要である。
【コメント】農水省が発表した「農村寄り添い事業体」に関する政策提言の中に「むら・むら格差」という言葉があります。このデータは発表になっていませんが、おそらく地方創生推進交付金(ソフト)、地方創生拠点整備交付金(ハード)の市町村別人口一人当たりの交付額、地域おこし協力隊の市町村別人口一人当たりの特別交付税額、ふるさと納税の市町村別人口一人当たりの寄付額などのデータを国は持っている。これを公開すると住民が怒り出すので発表はしないとは思うが、人口3千人以下、5千人以下、1万人以下の小規模自治体でむら・むら格差が顕著になっているのではないでしょうか。農水省はこの地域を主な対象とした施策の在り方を検討する必要があると言っています。人材等不足地域とはまったくやる気のない地域。活躍限界地域とは経年的に地域づくりに関する国の事業費が減少している地域と推測できる。
農村寄り添い事業体の必要性
【農水省の政策提言】それぞれの地域の課題や将来像に向き合いながら、オーダーメイド型で寄り添う企業等が現れ始めている。農山漁村をめぐる課題及び新たな動きを踏まえつつ、意欲ある人材の掘り起こしや、農村等の地域レベルで活動する人材、組織及びコミュニティが直面している限界を打破し、体制が脆弱な市町村の役割を補うため、①市町村域など広域的に農村地域に根差しながら、②意欲ある人材の掘り起こしや地域プレイヤーへの伴走や、自らがプレイヤーとなっての事業活動等を行うことにより、幅広い農村地域のビジョンの具体化から実現までのプロセスにオーダーメイドで寄り添う事業体を形成していくことが必要ではないか。活動地域の裾野を拡大したい外部の企業等や、体制が脆弱で現場に寄り添う余力がない市町村も、農村寄り添い事業体を必要としているのではないか。

【農水省の政策提言】農山漁村をめぐる課題及び新たな動きを踏まえつつ、意欲ある人材の掘り起こしや、農村等の地域レベルで活動する人材、組織及びコミュニティ(以下「地域プレイヤー」という。)が直面している限界を打破し、体制が脆弱な市町村の役割を補うため、①市町村域など広域的に農村地域に根差しながら、②根差して活動しているエリアにおいて、意欲ある人材の掘り起こしや地域プレイヤーへの伴走や、自らがプレイヤーとなっての事業活動等を行うことにより、幅広い農村地域のビジョンの具体化から実現までのプロセスにオーダーメイドで寄り添う事業体(以下「農村寄り添い事業体」という。)を形成していくことが必要ではないか。活動地域の裾野を拡大したい外部の企業等や、体制が脆弱で現場に寄り添う余力がない市町村も、農村寄り添い事業体を必要としているのではないか。

【農水省の政策提言】①必要に応じて地域おこし協力隊等の外部人材も活用しつつ、市町村による主導等で新たに農村寄り添い事業体を形成②プレイヤーとして活動するまちづくり団体等が、活動領域を広げ、農村寄り添い事業体へと発展③ビジョンの策定のみに伴走する中間支援組織等が、活動領域を広げ、農村寄り添い事業体へと発展④農村RMОの事務局等が、活動領域を広げ、農村寄り添い事業体へと発展⑤融資後の実践段階のみに伴走する地方銀行等が、活動領域を広げ、農村寄り添い事業体へと発展

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