ゼブラ企業とは何か(2025年7月6日)

ゼブラ企業は、2017年にアメリカの4人の女性起業家によって提唱された概念で、企業の利益追求と社会との共存を重視するスタートアップ企業を指している。この概念は、急成長を目指すユニコーン企業に対するアンチテーゼとして生まれた。ゼブラ企業は「相利共生」をテーマにしており、株主だけでなく、取引先や地域社会などのすべてのステークホルダーとの協調を重視し、長期的な視点で社会性と経済性を両立させることを目指している。利益確保と社会課題の解決という2つの目的を両立する企業形態のためゼブラ(シマウマ)と称される。

ゼブラ企業の特徴

ゼブラ企業は、ビジネスを通して社会課題の解決を目指している。いわゆるソーシャルビジネスといわれる領域にある。株主だけでなく、すべてのステークホルダーに対する貢献を図ることを視野に、競争よりも共助による社会貢献を目指している。イノベーションを喚起するための専門性や革新性を持っているのが特徴である。2025年6月に石破内閣が閣議決定した経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)には「地域の社会課題解決の担い手となるローカル・ゼブラ企業の育成に向け、社会的インパクト評価を資金調達につなげる環境整備を進める」と盛り込まれた。過疎地域の課題解決に取り組むゼブラ企業が増加傾向にある。ゼブラ企業に資金提供する新たな中間支援組織の創設も重要となってきている。